文学部横断型人文学プログラム

学びの特徴
-文学部 現代とクラシックスのクロスオーバー-

演習I(メディアリテラシー)
[2019年度開講科目]

社会全体がメディアの時代に、
メディアとしての新聞学科で学ぶ

新聞学科 水島宏明 教授

新聞学科はひとつのメディアです

 今、みなさんが生きているのは「社会全体がメディア」と化している世の中です。少し前までメディアとは、新聞、雑誌、テレビなど情報を伝える「媒介」で、「伝える役割」を負った組織や人々を指してきました。報道するニュース、広告、ドラマ、映画…コンテンツをつくり発信する人は限られた人たち…。でも現在はあらゆる人がインターネットとつながり発信する時代になって、互いに影響を与え合う時代に突入しています。

 こうした時代にメディアについて理論面に加えて実践面でも学んでいくのが上智大学の新聞学科です。学生が社会問題を取材してドキュメンタリー番組にし、さらに文章化して書籍として出版する、という実践も行っています。

 新聞学科では、1年生からテレビ番組を制作し、映像で発信することの実践を学びます。メディアの発信手法を学び、自らが発信する経験を積み上げることはメディアで働く人だけでなく、どんな仕事をする人にも大切です。そうした広い意味の「メディア人」を新聞学科は育てます。社会すべてがメディアになる時代。求められる人を育てて発信する「メディア」、それが新聞学科だといえます。

メディアを“ガチ”に体験しながら学んでいく

 「これは何を伝える番組?」「そのため君の演出意図は?」「見ている側に伝わっている?」わずか1分の番組を制作するときも、容赦ない質問がぶつけられます。社会で活動する人にビデオカメラを向けてドキュメンタリーを制作する授業もあります。

 プロのテレビ制作者や新聞記者らと同じような意識で対象と向き合い、取材を「ガチ」で体験する実践授業は、数ある大学でもほとんどありません。「頭を使って」座学でしっかりと“論”を学びながら、他方で「身体を使って」“実践”も学んでいく。そんな密度の濃いリアルな学生体験になっていきます。

 実際に経験しないとわからないことは数多くあります。失敗が許される学生時代、取材先の相手に怒られるなどたくさんの失敗をしてください。そうした実践のなかでコンテンツを制作し、表現し、発信することを通して、広い意味での「メディア人」を育てていきたいと考えています。

高校生へのメッセージ

 新聞学科ではメディアに強い興味をもち、卒業後にメディア企業に進む若者が多いことは事実です。でもメディア企業に学生を送り込むことが目的ではありません。社会に出てから広い意味での「メディア人」として活躍してほしい。そんな人を送り出したいというのが教師の願いです。

 ふだん見ているテレビ番組は何? 好きな雑誌は? よく利用するSNSは何? 気になった新聞記事は? 面接でそんなことを質問する学科は珍しいと思いますが、すでに君たちとメディアとの物語は始まっています。身近なところからメディアとのかかわりを見つめ、将来もメディア人として活躍できる人。そんな若者たちは、ぜひ来てください!

※本ページは2019年度開講時の情報にもとづいています。