文学部横断型人文学プログラム

活躍する卒業生
-品格のある人間をつくる 真のキャリアサポート-

写真は自分をうつし出す鏡

古賀 絵里子 氏
[2003年フランス文学科卒業]
写真家

写真家として幅広く活動


『浅草善哉』より

 私の仕事は写真家です。作品を制作して、個展や写真集などで発表する作家として活動しています。もちろん、それだけでは食べていけないので、仕事として依頼された撮影や写真の講師もしています。わたしは作品制作に長い時間をかけます。処女作となった『浅草善哉』は、浅草に住むある老夫婦の日常生活を6年間にわたって撮影しました。「人にとって本当に大切なものとは何か」を、ふたりの存在や暮らしから感じ写真に残しました。現在は和歌山県の高野山へ新作撮影に通い、5年が経ちました。こうして写真を続けて来てわかったのは、自分に足りないもの、求めているものを持った対象に惹かれ、撮影に通うということです。人や自然と相対しながら、自分と向き合い、より良く生きたいと願っています。また、最近ではテレビ出演もするようになりました。恥をかいたぶんだけ、磨かれると思って、自分らしく色んなことにチャレンジしています。

一期一会の出会いを大切にする


『一山』より

 上智大学での生活で一番想い出に残ったことは、旅と写真です。一年に二度、長い休みが春と夏にありますが、その休みを使ってカメラとともに国内外を一人旅しました。日本縦断、フランス、ネパール、中国。旅が終わると真っ先に写真部の暗室でネガ現像、プリントです。その繰り返しが本当に楽しかったし、写真家としての基礎をつくってくれました。当時撮影した写真が、面映くもすべての記憶を呼び起こしてくれます。

 私がフランス文学科を志望したのは、フランスが写真の発祥の地だったからです。大学でフランスの文学や言葉をおぼえてから、写真学校に留学するつもりでした。結局、独学で写真家になりましたが、フランス文学科で学ばせてもらったことに感謝しています。フランス人の教授も多いうえ、ご自身の専門分野を持った個性的な教授たちは、今でもお一人ずつの顔や声を憶えているほどです。それだけ、学生ひとりひとりに寄り添い、熱心な講義をしてくださったのだと感じます。

高校生へのメッセージ

 自分が通う大学がどんな環境で、そこで何を学ぶかというのは、そのあとの人生を決めると言っても過言ではないな、とつくづく思います。東京というところは、自分さえやる気になって行動に移せば、チャンスが多く転がっている場所です。大学も同じです。社会に出る前に、自分が将来やりたいことを、悩みながら頭と心、体を動かして探して行く大切な場です。そして上智大学は、授業はもちろんのこと、図書館や部活なども充実しており、学生のやる気につねに開かれた大学です。自分が信じることを大事に、想い出にのこる大学生活を送ってください。

もっと詳しく知りたい方へ

※本ページの情報は作成時(2013年度)の情報にもとづいています。