文学部横断型人文学プログラム

受験生の皆さま
-上智大学文学部を志望する人のために-

知識を得るだけでない、自分で哲学する力が身に付く

哲学科
吉田 圭一郎
Keiichiro Yoshida
(3年)

学科を選んだきっかけ

 哲学者プラトンが考えた「イデア界」に美しさを感じたことが、哲学に興味を持ち、そして哲学をしたいと思うようになったきっかけです。イデア論について知るまでは、自分にとって、実際に経験しているこの世界がすべてだと思っていたのですが、この世界とは別にイデア界があるという2世界説に触れて単純に、美しいな、と思ってしまったんですよね。

 当時は、目に見えていることや周りの環境に囚われていて、窮屈さを感じていたと思います。精神の目を他の場所に向けるという経験はしたことがなかったので、イデア論を知った時、のびのびとした新鮮な気持ちを抱きました。イデア界から来た我々の魂は、イデア界のことを忘れてしまっているという物語の要素を含んだ箇所にも惹かれたんじゃないかと思います。

哲学科のここがスゴイ!

 高校倫理の一部以外の哲学的知識はほとんど持たない状態で入ったんですが、本当に哲学することを教えられたと感じています。

 授業は実践的で、1年生の頃から、哲学書を読むことをずっとやっていきます。最初は、『ソクラテスの弁明』のような割と平易なものを読んで、少しずつ慣れていくといった具合に。

 知識ではなく、哲学することに力点が置かれた授業が多くなされていると思いますね。

 人と話す機会をすごく大事にする学科でもあります。グループディスカッションが多くて、人と話すことが、イコール学びのような感覚です。自主ゼミや読書会、勉強会などが盛んで、そういった授業以外の場では、同学年だけでなく、下の学年の学生や院生との交流もあります。

学びを通して自分の中に起こった変化

 プラトンの「イデア界」から、他のことへと興味が広がったし、自分から問いを出せるようになったと思います。何かを判断するときに、その判断の基準は何だろうと、一度立ち止まって考えられるようにもなったかなと。

 わかりやすさというものを怖がるようにもなりましたね。安易にわかることを怖がると言いますか、多くの場合においてわかりやすさが求められるからこそ、敢えてわかりにくさに迫っていきたいなって。1回でわかろうとしなくていい、何度も実践していったら、もう少し生きていたらそのうちわかる、といった考え方をするようになりました。

 授業や研究会で哲学書を読むときは、数ページ、もしくはたった数文しか読み進められずに終わることもあるんです。でも、焦らずゆっくり読む習慣が、読み方だけでなく、考え方にもつながっているんだと思います。

学びを今後の人生でどう活かす?

 問いを立てることは、あらゆる学問の共通点だと思いますが、哲学をするときには特に、むやみやたらに、ではなく、正しい問いを立てることを強く意識するんです。問いの立て方が適切だと、答えもすんなり見つかりやすくなるので。こういった正しい問いを立てて解決していく力は、社会に出ても役立つと思います。